-知的財産保護に-スティータイムスタンプの活用事例(研究開発等)

知的財産の保護を目的として、タイムスタンプが多く活用されています。 知的財産の権利をめぐってトラブルが発生した際には、「権利の所在」が何処にあったのかと、「いつ」開発を行ったのかが重要となり、時刻軸を立証する上でタイムスタンプが大きな役割を果たします。 今回は、知的財産の保護として使う事のできるスティータイムスタンプサービスの活用事例をご紹介します。 「権利の所在」とは メ-ル等による情報の発信側を確認することで明確化することが可能ですが、「いつ」に関しては自由に設定が可能なパソコンの時刻を初めとし、第三者性が明確な時刻軸がありません。 第三者性が明確でありかつ時刻軸を技術的に立証することが可能なタイムスタンプを、ロゴ、CIデータ、図面等に付与しておくことで、デ-タの作成時期(いつ)と原本性確保(非改ざん証明)を主張することができます。 これまでは、発明した技術の特許を取得することにより、権利を確保することが通例でしたが、特許公開に伴う情報流出を避けるため、全て特許取得とせず、コア技術やノウハウを「秘匿化」する傾向があります。 知財及びノウハウの媒体が「紙」から「電子デ-タ」へと移行されているため、その電子デ-タそのものに証拠性を持たせ権利主張がおこないやすくなっています。 10年の真正性の確保 外部からの攻撃に対する防御が目的である秘匿化は、知的財産をもとに事業を継続し続ける限り、いつライバル企業からの脅威にさらされない為にも重要になります。 10年ごとに新しい暗号化技術を備えたタイムスタンプを付与し更新することで、安全に作成日時を証明可能な状態で情報を保存し続ける事ができます。 ケース① 設計図・仕様書 製品を製造するにあたり、その製造のための仕様書や設計図を外部企業に依頼した場合、その依頼書に添付された仕様書や設計図は第三者に提示されているため、その内容の信頼性は高く評価される傾向があります。  一方、社内で秘匿していた設計図・仕様書については、証拠として客観性がないため、その証明力は相対的に低くなってしまいます。  しかし、社内で作成され秘匿されていた設計図・ 仕様書であってもこれらのデータにタイムスタンプが付けられている場合には、そのデータの改変がされていないことが技術的に担保されるため,紙による証拠に比べて証明力が比較的高くなります。 ケース② 研究ノート 研究開発などで記録された書類は、紙で保存されている事もありますが、紙のままの保管となると長期保管が困難な点や差し替えが不可能なノート形式であることなど様々な要件を満たし、保管しなけれなりません。 しかし、タイムスタンプが押された電子データなら、電子データの場合劣化する事がなく、タイムスタンプにより作成日付と原本性が技術的に担保できる点から権利の所在を証明する事ができます。